2017年8月9日

第34回 ガラモンに命を吹き込んだ男たち

 「ガラダマ」でガラモンを初めて見た時、その背中のトゲトゲの突起(高山良策は、1本1本を湾曲したハサミでボードから切り抜き、同じ形のトゲは1本としてなかった)、ぶ厚いクチビル、つぶらな2つの目、長いまつげ、骨っぽい手と足、ピンと伸びた細い尻尾……どこから見てもロボットには見えず、でも「カシャン、カシャン」と歩く度に響く金属音、全身を震わせて(パカッと口を開け、空をにらむアクションがいい!)電波音を出すサウンドエフェクトの冴え!「さすが、宇宙人が作るとロボットもこうなるのか!?」と仰天してしまった。

 的場徹特技監督はこう金城哲夫の脚本を評した。
「金城君の脚本は、読んでいるとビジュアルのイメージが次々に湧いてくる。特技監督が撮りたくなるビジュアルのアイデアが必ず入っている。絵コンテが頭に浮かんでくるんだ。彼だけの特徴だったね」

 ペギラの目で失敗した倉方茂雄は、脚本のラストにあるガラモンが目を閉じて死んだとわかる描写を高山良策と相談して、ピンポン玉に目を描いて目蓋を閉じた状態で製作してもらい、ワイヤーで引いて目を開けるようにしたギミックを作り上げて、ガラモンの印象に残る目の芝居を完成させる。

 円谷一監督から、ラストでトローッと何かが出てくるようにしたいという注文で、口がパカッと開いて透明のゲル状の液体を出して、ガラモンの死を印象づけた。

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