2017年8月15日

第40回 「1/8計画」の忘れられない思い出(その1)

 『ウルトラQ』の中で、見ていて心が身体から離れて、そのストーリーの中にさまよい、終わると目が覚めたように日常に帰還した感じがしたのは「1/8計画」だった。そこには怪獣が登場しない。しかし、想像を絶するストーリーが急速に展開していく。

 由利子が渋谷駅で混雑する階段でつまづいて……
「世界一の人口密度を持つこの街で、ある戦いが始まろうとしています。これから30分、あなたの目はあなたの身体を離れて、この空間の中に入っていくのです」と、石坂浩二のナレーション。

 万城目、一平、由利子がドライブ中、「S計画募集中」という建物に人々が殺到している。新聞社のキャメラマンとして「何だろう?」と興味を感じた由利子は、万城目たち2人を車に残して、「ちょっと待ってて」と建物の中へ。なんとそれは、人間を8分の1に縮小して、税金もタダなら住むところも確保してくれる国の計画だとわかってくる。

 「あなたもどうですか?」「いやよ。私は大きくなりたい方なんだから」と断った由利子は人並みに押され「まあ、こちらへ」と8分の1計画に入れられてしまう。
 椅子の上で光線を浴びて、みるみる縮んでいく由利子。この非情な合成イメージが圧巻で、由利子の運命はどうなるのかと息を呑んでしまった。

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