2017年8月8日

第33回 高山良策邸の庭で演技指導

 ロケバスから見かけた男性が見つかって、的場徹特技監督はその高橋実さんを自ら訪ねて怪獣のぬいぐるみに入ってくれないかと交渉した。素人の高橋さんは最初は何のことかわからず、困惑して依頼を断っていた。

 「ぜひ、あなたにお願いしたいんです。助けると思ってお願いします」と頼み続ける的場特技監督。「そこまで言うならOKしましょう」となり、「でも演技なんて出来ませんよ」という高橋さんに「技術スタッフがサポートしますよ」と的場特技監督は答えた。

 ぬいぐるみの採寸のため、高山良策邸の工房アトリエ・メイに高橋実さんを連れて行き、体の正確なサイズ、ボリューム感などを高山良策が測り、オーダーメイドのぬいぐるみ製作作業が始まった。

 高山夫人の利子さんが記憶しているのが、
「的場さんが高橋さんを庭に連れて行って、野球の巨人軍の金田投手が試合の前にマウンド上で〝さあ、やるぞ〟と肩をグルグル回したり、倒れてコメディアンのルーキー新一さんみたいに〝いやーん、いやーん〟と身をよじったり、あんなポーズをして欲しいんですと、いろいろなポーズを説明して、ご自身で〝こうやるんですよ、わかりますか?〟と熱心に話し合いをされていましたよ」
 という演技指導の光景だった。

 的場特技監督に「ガラモンのダムの壊し方は意外に地味ですね」と話すと、こう答えてくれた。
「高橋さんの体重が軽くて、ダムのセットがうまく壊れなかったんだ。あれだけは計算違いだった。壊れるようにセットは作り直したんだけどね」


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