2017年8月17日

第42回 「1/8計画」の忘れられない思い出(その3)

 (CM開けてBパート)星川航空から出て行くタクシー。事務所の机の上に置かれているS13地区の箱。パタンと蓋が開くと、中から由利子が出てくる。机の上の写真立てには笑っている由利子の写真。しかし、それは黒いリボンが上に巻かれている。その横にある巨大な電話機は、由利子役の桜井浩子を8分の1人間に見せるために8倍のスケールで作られたドラマ班の美術セットだ。

 「まあ……ひどいわ(まるで私が死んだみたいに)」と写真立てを見て呟く由利子。そこへ万城目と一平の声が聞こえてきて、由利子はあわてて写真立ての後ろに隠れた。風船を手にして机に近づき、写真立ての由利子の写真を見る一平。写真立ての後ろにいる由利子の合成カットには、「うまいっ!」と子供心に合成の使い方に感心した。

 写真の由利子に語りかける一平。万城目は写真が見られず(由利子のことを思い出してつらいからだ)「もうその写真しまえよ」と言うと、「えっ、まだ1週間なのに」と抗議する一平。そこへ離島から病人を運ぶ依頼の電話が入り、万城目は出て行く。「由利ちゃん、先輩はあんなことを言ってるけど、君のことを」と言いかけた一平は、万城目の呼ぶ声で出て行く。

 「一平君……」と涙ぐみながら写真立ての裏から出てくる由利子。電話の受話器を必死に外して、毎日新報に電話した由利子だが、関デスクに「幽霊と話しているヒマはないんだ!」と切られてしまう。
 仕方なく、巨大な鉛筆を持って、机の上の便せんにメモを書く由利子。「さようなら ゆりこ」そして、東京上空を風船を何個も付けたS13地区の箱が飛んでいく。宮内国郎作曲の哀愁のある音楽がBGMとして流れ続ける。
 いったい、このストーリーはどうなるのだろうと茫然とテレビを見つめていた。

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