2017年8月24日

第49回 オープニング・タイトルのアニメ処理

 「地底超特急西へ」のオープニング・タイトルは、まず「地底超特急」という文字が入ってきて、下に丸いコンパスがあって、ブレーキ音と共に「西へ」の文字がフレーム・インして、コンパスの針が西を向く……「なんてかっこいいタイトルなんだ」と、これまたびっくりした。

 中野稔さんは合成を使ったタイトルについて、こう語った。
「『ウルトラQ』は、製作の古い作品は『マンモスフラワー』『変身』『悪魔ッ子』と1枚テロップのタイトルだった。監督から特に注文もなかったしね。それが『五郎とゴロー』から、ゴローがストップモーションでフレーム・インしたり、『1/8計画』で画面を8分割するマルチ画面になったり、オープニングに凝りだした」

「東宝映画で岡本喜八監督がアニメーションを使って、スマートなオープニングを作ったり、アメリカ映画でも『80日間世界一周』とか『ピンクパンサー』みたいなアニメをうまく使ったオープニングのしゃれた作品もあった。
 それで『地底超特急西へ』でも遊びだして、隕石が手前に飛び出してきて『宇宙指令M774』という文字になって、タイプライターの音をつけたり、ディレクターがサウンドエフェクトをつけてくれたのが助かった。『地底超特急西へ』のタイトルも、ブレーキ音があるから効いてるんだ」

「線画台で撮影してタイトルを作ってオプチカル合成してるわけで、アニメ処理で作れば大丈夫というのがわかってたからね。飯島監督がノってくれたから、タイトルでも一歩踏み込めた。ラストの終の文字の上を衛星を通過させているのも同じだよ」


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