2017年9月、『ウルトラQ』のすべての合成シーンを手がけた中野稔さんと話していて、『ウルトラQ』のマットアート合成の話になった。「宇宙指令M774」のラストシーンの未来都市の情景や「地底超特急西へ」で子供たちの演奏のバックを走るいなづま号、海岸線を走るいなづま号のシーンなどで、実に効果的に使われているからだ。
「あれは的場徹特技監督の回だろう。『ウルトラQ』の特撮セットが少し狭く見えると言って、マットアートの技師を大映のスタッフにわざわざ頼んで、円谷プロに来てもらって作ったカットだよ。ほかの特技監督の回じゃ、やってないんじゃない? 円谷プロにマットアートを描ける人がいなかったから。『ウルトラQ』は本編(ドラマ部分)が35ミリフィルムで回してるから、それがやれた。『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』じゃ16ミリの撮影だから、それがやれなかったんだ」
と中野さん。
気がついてみたら、「ガラダマ」のダムの広がりのあるカットもマットアートの効果だった。的場徹特技監督の技術的な挑戦だった。
と中野さん。
気がついてみたら、「ガラダマ」のダムの広がりのあるカットもマットアートの効果だった。的場徹特技監督の技術的な挑戦だった。