2017年10月18日

EX17 毎日新報の関デスク

 江戸川由利子(桜井浩子)の勤務している新聞社、毎日新報社会部の関デスクを演じたのは、東宝の俳優・田島義文であった。『空の大怪獣ラドン』(1956/監督・本多猪四郎、特技監督・円谷英二)では敏腕新聞記者を演じ、『ゴジラ』(1954/監督・本多猪四郎)でゴジラ事件に肉薄した新聞記者・萩原を演じた堺左千夫に匹敵する存在感を見せた。

 本多猪四郎監督が頼りにした俳優の1人で、『ガス人間㐧1号』(1959)の主人公の上司である刑事部長、『海底軍艦』(1963)の神宮司大佐の信頼厚い兵曹、『モスラ対ゴジラ』(1964)の悪徳興業主と重要キャラクターを演じ分けた。

 「五郎とゴロー」「バルンガ」「東京氷河期」「1/8計画」(電話の声のみの出演)「2020年の挑戦」「変身」「南海の怒り」「海底原人ラゴン」「ゴーガの像」と登場エピソードは多く、短いシーンでも場面をさらう表情と演技、声にも深みがあり、新聞社デスクのリアリティーをフィルムに刻印した。

 「五郎とゴロー」で見せた行動力と決断力、「東京氷河期」のペギラを追いかけるブンヤ魂、「2020年の挑戦」の試写室のワンシーン出演の演技が、東宝俳優の力量を改めて感じさせた。

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