2017年10月9日

EX8 『ウルトラQ』のキャスティング

「『ウルトラQ』のキャスティングは、普通のTVプロの作品と違って、東宝の映画俳優が次々にゲスト出演してくるので、演技陣が厚いなと思いました」と言うと、梶田興治監督はキャスティングについてこう語ってくれた。

「『マンモスフラワー』でも、源田博士役で高田稔さんが出てくれて、一の谷博士役の江川宇礼雄さんと並ぶと、TVの画面でも締まるんだ。『甘い蜜の恐怖』の清水元さんも良かった。アニメの『鉄腕アトム』のアトム役の清水マリさんのお父さんで、劇団を率いていた。黒部進たちの上に清水元さんクラスを置くから、ドラマになるんだ」

「あと、脇役が多かった黒部進も沢井桂子と恋仲にして、二枚目をやらせてみた。東宝は上に主役がズラリといるから、なかなか映画で主役を演じられないんだ。もったいないと助監督の時、いつも思っていたんで、『ウルトラQ』のキャスティングではいつもそれを考えていた」

「TBSのディレクターたちは、新劇の思わぬキャスティングを組んできて、東宝の映画俳優だけで作ってないのが良かったんじゃない? ナレーションの石坂浩二さんも円谷一さんの推薦だった。東宝の演技事務が頑張ってキャストを組んでくれて、現場で役者に困ったことはなかったね」

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