2017年7月20日

第14回 ペギラがもたらした巨大なもの

 『ウルトラQ』の放送第5話だった「ペギラが来た!」は、子供たちにとって『ウルトラQ』を象徴する一編となった。

 まず南極を舞台にしたストーリーが珍しく「そんなストーリー、ありかよ」とひっくり返った。さらに、いつもは3人のレギュラー主人公なのに、万城目淳(佐原健二)だけが南極に向かう調査船に乗っている導入部には「これから先、どういう物語になるのか?」とびっくりだった。

 突如、暖かかった空に異様な黒煙が走ると、たちまち大寒波がやって来て昭和基地に閉じ込められる日本隊。まさに息もつかせぬ展開で、宙を舞う雪上車、クレバスに落ちた雪上車が頭上の空に蜃気楼のように映ったのか……と思わせる不思議な場面。

 女性隊員が一人、雪上車で基地を脱け出し、あとを追う万城目たち。彼女は前の越冬隊で行方不明になった野村隊員のフィアンセで、彼の消息を調べに来たのだ。野村隊員の飼っていた犬がいて、その足もとの氷原で氷づけになった野村隊員を発見した万城目たちが掘り出そうとしていると、氷山の向こうから何かが近づいてくる。犬が吠えるが、万城目たちは気づかない。

 そして出現するペギラの合成シーン。気配を感じて振り向いた万城目たちが目撃する巨大怪獣。次の瞬間、ペギラが口から冷凍光線を吐き、万城目たちは空中へと吹き飛ばされてしまう。このペギラの登場シーンには仰天し、すっかり魅了されてしまったのだ。

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