2017年7月14日

第8回 怪獣を作り出すクリエーター(その1)

 『ウルトラQ』の初期作品の怪獣は、まだぬいぐるみのスーツを作るクリエーターが決まっていなくて、マンモスフラワーとモルフォ蝶は後にウルトラマンを造形する佐々木明が担当。人形アニメのストップモーションで1コマ、1コマ花弁が開いていくシーンは真賀里文子がアニメートしていた。

 「206便消滅す」のトドラ、「甘い蜜の恐怖」のモングラー、「クモ男爵」の巨大グモ、「五郎とゴロー」の巨大猿ゴローは東宝特美の井上泰幸がデザインし、ゴジラやキングコングを造形したメンバーが制作していた。

 「宇宙からの贈りもの」の火星怪獣ナメゴンは、後にジャイアント・ロボやGR2を造形する人形工房が制作。合成樹脂の半透明の造形物で、目の中のライトは電飾(ギミック)の倉方茂雄が取り付け、撮影中の動きも自分で操作していた。

 「他の怪獣はモグラやクモ、猿が大きくなっただけで感心しなかったけど、ナメゴンは良く出来ていると思った。もとはナメクジなんだけど、オリジナルの匂いがあって、粘液に濡れている感じもいいし、ナメゴンには感心したね」
 とは、同じシリーズでケムール人、ラゴン、ガラモンをデザインした成田亨さんの証言。『ウルトラQ』の初期作品では3本に1本くらいの割合で怪獣物のエピソードが考えられていたのだ。

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