2017年9月8日

第63回 満田監督の演出デビュー

 「マンモスフラワー」からシリーズ助監督として参加していた満田(みつた・かずほ、名前は禾に斉)さんに1978年頃、監督デビューの話を聞いた。満田監督はTBSの『いまに見ておれ』(青島幸男主演のコメディ)で円谷一ディレクターのアシスタントに付いていて、脚本の金城哲夫とも、その頃からのつき合いであった。

「2本同時に撮影していたから、『燃えろ栄光』」と『宇宙指令M774』」の両方がデビュー作になった。1本は飯島敏宏さん(千束北男名義)の脚本、もう1本は上原正三で、同じような演出にならないように、いろいろ工夫した。
 『燃えろ栄光』はボクシングの話だったので、合成の中野稔に頼んでパンチ型のワイプを使ったり、『M774』の方では喫茶店の入り口と異世界をつないだりして〝変なこと考えるな〜〟と中野さんに苦労をさせてしまったりもした」

 成田亨デザイナーはこの2作の怪獣について、
「ピーターはうまくいかなかった。造形も肌の仕上がりが良くなかったと思う。ラストの巨大化も唐突な感じで、セットもあまり出来が良くなかった。ボスタングはとにかく動かなくて、怪獣を作ることの難しさばかり感じていた」
 と回想する。

「助監督の頃に知り合っていた工藤堅太郎とは〝監督になったら主役で呼ぶよ〟と約束していて、『燃えろ栄光』のゲスト主役をやってもらった。いい役者で、後で『ミラーマン』にレギュラー出演して全編で熱演してくれたよ」
 と満田監督は話していた。

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