2017年9月10日

第65回 人間のすぐ横を通り過ぎる怪獣パゴス

 竹の花が咲く時、虹の根元で見つかる虹の卵に願いをかけると、どんな願いでも叶うという伝説をおばあちゃんから聞いて、ピー子を隊長とする子供たちは一致団結する。
「虹の卵を探して、おばあさんの足を治してもらうのよ」「オーッ」

 飯島敏宏監督は1979年頃、こう語った。
「山田正弘さんの描く子供たちが、どこか山の手の子供というか、おとなしくてね。ちょっと違うなと思って、ピー子と元気な子供たちにしたくて、ブームだった忍者のポーズを取り入れたり、指を口に入れてポンと鳴らしたり、かなり変えてしまったんだ」

「僕は怪獣を合成するのに、いつも画面の奥の方にしかいないのが気に入らなくて、特技監督の有川貞昌さんや合成の中野稔に話して、ドラマ班の撮影の内海正治さんにも注文して、隠れているピー子の隣りをパゴスが通過していく合成シーンをわざと作ったり、パゴスのやられ方も普通ではなくバラバラになるとか、工夫してくれと頼んだ。空の虹も、普通の虹じゃない感じにしてと無理ばかり言ってた」

「パゴスはうまくいったという印象があった。由利子役の桜井浩子がいきなりショートカットになったので、内海キャメラマンにきれいに撮って下さいと頼んでみたり、特撮って面白いじゃないかと思えてきて、ケムール人の回とこのパゴスの話は、意外と気に入ってるんだ」

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