2017年9月14日

第69回 セミ人間の人間タイプのイメージは?

 野長瀬三摩地監督はガラモンに東京アタックをかけさせながら、操っている宇宙人(セミ人間)はロード・ムービーのようにトラックに乗って北上しているというストーリー設計を作らせた。

「セミ人間は、はじめ人間の姿をしていて、科学研究センターからチルソナイト製の電子頭脳を深夜に盗み出す。のっぺりとした顔立ちの男で、丸山明宏(現在の美輪明宏)みたいな中性的で少年のような男優を、演技事務に頼んで探してもらってキャスティングした。そのセミ人間の男を乗せるトラックの運転手は、男くさい元新東宝の沼田曜一にして、対比を狙った」
 と、野長瀬監督は配役にもこだわった。

 電波監視所の主任役の平田昭彦は、東宝の助監督時代に何度も仕事をしていて、セリフのメリハリにも気を配った。万城目や一平、由利子、主任の乗るヘリコプターがトラックを追って、電子頭脳を取り戻そうとするサスペンスをスピード感たっぷりに描いてみせた。ドラマが特撮に負けていない。

 ガラモンは胸のマークを変えて3体に見せ、手前に1体、奥に1体と合成ラインもナチュラルで、合成には見えないほどだった。
 実際に空飛ぶ円盤を目撃したこともあるUFOマニアの的場徹特技監督は、湖から出現して空中に浮かぶUFOを熱心に撮影。湖のミニチュア・セットもいい仕上がりで、侵略SFのハードな雰囲気を実感させてくれた。


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